今朝、ケンタッキー・フライド・チキンの店舗が開店するところを、たまたま見かけた。ちょうどバイトの女の子が、例の人形を店の外に出そうとしているところだった。カーネル・サンダースと向かい合ったバイトの女の子は、人形が前方にあげている両手をやさしく握ってひっぱりながら、自らは後ろ向きにゆっくりと進んでいく。白髪頭で眼鏡をかけた男の人形は、肥り気味であるうえ、直立したまま硬直して動けないわけだ。しかも、引きずられる途中、底部の車輪が舗道のタイルのつなぎ目にひっかかるらしく、体がぎこちなく揺れる。まるで、リハビリにはげむおじいさんと介助する孫娘の構図である。微妙に、切ない気分になってしまった。