ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

坂本龍一 JAPAN TOUR 2005

台風でどうなるかと思ったが、大丈夫だった。昨日、Zepp Tokyoで坂本龍一のライヴを見た。
1曲目の〈Behind The Mask〉は、原形のイメージをさほど崩さないアレンジだったので、今回の「10年ぶりのバンド・ツアー」というキャッチ・フレーズが連想させるポップ・スタイルに近かった。
けれど、続く〈Tibetan Dance〉、〈Thousand Knives〉は、坂本、スティーヴ・ジャンセン、スクーリによるピアノ・トリオ的演奏に、小山田圭吾とフェネスがノイズをトッピングする形。そこからピアノ中心の静かめの中盤を経て、〈coro〉をはじめノイズ比率の高まる後半に移った。
小山田とフェネスはいずれもギターを手にしたけど、やっぱり弾くよりもTOY感覚で操る方が多いわけだ。また、ジャンセンも生ドラムを叩くのと同じくらいかそれ以上に、エレクトロニクスを使っていた。ロックやポップスでいうところのバンド・サウンドにこだわらず、結局、坂本は曲ごとに好き勝手なスタイルでアレンジしたのである。
Merry Christmas Mr. Lawrence〉みたいな坂本の代表的なメロディにまで、「戦場」を強調するラップトップなノイズをぶつけて、素直には聞かせない。ピーピーガーガーとおとな気なくて微笑ましい。
ただ、アンコールの最後が〈World Citizen〉だったのはちょっと不満。曲自体は好きである。でもステージでは、デヴィッド・シルヴィアンのヴォーカル音源にあわせて演奏する形をとっており、どうしても声の主の不在を意識させる。ならば、インスト、ピアノ・ソロで締めるほうが、「坂本龍一」のLIVEとしてベターだと思う。別の日に演奏したらしい〈東風〉とかを聞きたかった。
とはいえ、全体的に見れば、〈Riot in Lagos〉や〈Happyend〉、〈DIABARAM〉も含め過去の目立つナンバーを取り上げる一方、近作《CHASM》からも〈Undercooled〉や〈War&Peace〉など少なからず披露し、新旧織り交ぜた選曲はよかった。
坂本は、ピアノ中心で自作を録音し直したものを「“ゆるみ系”BEST」と称しているが、ピアノ+ノイズを主体とするアレンジのおかげで、ゆるんでるんだか緊張してるんだか分からん宙吊りの心地よさが、今回のTOURの特徴だろうか。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050709#p1

http://d.hatena.ne.jp/05

/05

上記は、坂本の次の「“ゆるみ系”BEST」。Amazonではまだ曲目を掲載していないが、ライヴ会場で配られたチラシによると、〈Tibetan Dance〉、〈Amore〉、〈Energy Flow〉、〈The Last Emperor〉、〈Happyend〉、〈Thousand Knives〉、〈The Sheltering Sky〉、〈Shinning Boy & Little Randy〉などが収録される。



ここ数日の続きでテープ起こしをしつつ、先に待つ締切のため、合間をぬって資料の本読んだりCD聞いたりDVD見たり。目も耳も腰も痛くなってきた……。

  • 27日夜の献立
    • 豚肉と空芯菜の炒め物(サラダ油、豆板醤、にんにく、しょうが、しょうゆ、こしょう、オイスターソース)−−中華なべを持った際、手の甲に痛みを覚える。やばい。腱鞘炎がぶり返すのだろうか……。
    • 塩もみした赤キャベツの千切りに、レンジでチンしたこぶの千切り&その汁をからめ、梅しょうゆドレッシング
    • 大根の味噌汁
    • 玄米ごはん
    • アミのつくだ煮
    • 発泡酒&チューハイ