- アーティスト: 筋肉少女帯,大槻ケンヂ,ケラ,鈴木直人
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2006/06/21
- メディア: CD
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以前出ていたインディーズ時代の集大成《ナゴム全曲集》に増補して、デモ、ライヴのレア音源まで追加したような内容。
でも、〈高木ブー伝説〉など比較にならぬくらい詞がヤバい〈ドリフター〉の収録は見送られている。昔、この曲の入ったミニ・アルバムを中古で探して、確か5,000円で買ったなぁ……。曲名はもちろん、ドリフターズから来てるのだけれど、アイアン・メイデンの〈ドリフター〉にも引っかけたのかなぁ、と思ったっけ……。しかし、メイデンは「ビバ ノンノン」なんてかけ声はしねぇわな。
で、今回の《ナゴムコレクション》で新たに聞けた音源では、まだ中高生の悪ふざけでしかない82年の〈肉の王者〉デモの下手さ加減に爆笑。こうした前史から収録してくれたおかげで、初期筋少のアングラぶりがどう出来上がったのか、よりはっきり感じられるようになった。
八木節のメロディに「手足外して人間パズル」などと江戸川乱歩な詞をのせ、「チャカポコチャカポコ」と夢野久作なフレーズまで散りばめた〈外道節〉のファンタジーに象徴されるように、初期の筋少は青少年期の鬱屈感が全開だった。……あれ? なんか変な表現だな。
――というか、本来、心が開けなくて閉じてしまうのが鬱屈なわけだが、それをアングラ・ロックにして強引に開陳してみせたヤケクソぐあいが面白かったのだ、大槻ケンヂは。たった一人でしょーもない夢を溜め込んで〈から笑う孤島の鬼〉の詞なんか、80年代当時にはまだ用語がなかったものの、今振り返れば「ひきこもり」の感覚である。閉じこもりを開き直って芸にしたみたいなもんだった。
そして、今度、オーケンへのリスペクトを表明していた滝本竜彦の『N・H・Kへようこそ』がアニメ化されるにあたり(というか、大岩ケンヂのコミック版のアニメ化か)、エンディング・テーマは「大槻ケンヂと橘高文彦」なのだという。しかも、ゲストに三柴理(江戸蔵)。三柴、橘高といったら、筋少の前期、後期をそれぞれ支えた名プレーヤーだし、バンドの紆余曲折を思うと感慨深いもんがあります。
- アーティスト: 大槻ケンヂと橘高文彦,小泉豊,大槻ケンヂ,滝本竜彦,橘高文彦
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/07/20
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