ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

iTunes Storeで『姑獲鳥の夏』

iTunes Storeで発売された京極夏彦姑獲鳥の夏』のオーディオブックがどんな感じなのか、試聴してみた。『姑獲鳥の夏1』2時間56分のうち、1分30秒は無料で聞ける設定なのだ。しかし……
妖怪シリーズの場合、本の最初に物の怪の絵が掲げられ、それに関する説明を古い書物から引用するのが恒例。実際に本文が始まるのは、その後である。そして、試聴できる部分は、まず、冒頭の「七七四九三(ななしぐさ)」における“うぶめ”の説明を読み上げ、続いて「本草綱目」から引用する途中で終っている。
つまり、京極夏彦本人の書いた文章は、試聴に一切登場しないわけ。中禅寺秋彦関口巽といったキャラクターが会話する場面などを抜き出してくれないと、立川談春が『姑獲鳥』のナレーターにふさわしいのかどうか、判断できないではないか。困ったもんだ。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20061005#p1


iTunesの試聴には、この手の理不尽が混じっている。例えば、ライヴの曲を試聴しようとしても、客の歓声やアーティストのおしゃべりばかりで制限時間が埋められ、やっとイントロが鳴り始めたと思ったら終っちゃうとか。
で、とてつもなくひどい試聴用サンプルを発見した。《Deep Purple Live at Rotterdam Ahoy,Disc.1》の〈Smoke on the Water〉だ。この試聴では、スティーヴ・モーズがギター・ソロのお遊びでレッド・ツェッペリンのフレーズを弾いた部分しか流れない。ディープ・パープルのオリジナル曲本体には、一切触れさせないパープルの試聴ってどうなの? こんなことすると〈ハートブレイカー〉を〈スモーク・オン・ザ・ウォーター〉だと勘違いする人が出てくるよ?
●iPod classic 第5世代 30GB ブラック●MA146J/A
――とiTunesをボロカス言う僕は、今日は主に、Napsterでフィッシャースプーナー、ロイクソップあたりのチャラチャラした電子音楽を適当に流しながら、業界誌の原稿を書いていたのだった。
(まぁ、iTunesに限らず、短時間に制限された試聴には、その抜き出しかたはないだろがっ、てのがけっこうあるね)

  • 13日夜の献立
    • びんちょうまぐろの刺身
    • 出来合いのうずらフライ、コロッケ
    • 小松菜と大豆たんぱくの麦味噌炒め(菜種油、塩、白ワイン)
    • レンコンとにんじん炒め(ごま油、カプサイシン入りしょうゆ、みりん、すりごま)
    • ゆでブロッコリー(マヨ)
    • ポテチ
    • ビール、雑酒、チューハイ