(小説系雑誌つまみ喰い 23――「野性時代」9月号)
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「野性時代」9月号の表紙&巻頭グラビアに、金原ひとみが登場している。髪の色を変えたせいもあって、デビュー時に比べると、ちょっと落ち着いた印象である。
この姿を見て、ひょっとしてギャル曽根も、ギャルメイクにしなければこんな感じなのではないか? と思ったのは僕だけではあるまい。以前から、この2人は似ているという声があったことだし。
『AMEBIC』asin:4087747697の主人公がそうだったように、金原ひとみには拒食症のイメージがある。一方、ギャル曽根は大食いなのだから、真逆だ。
しかし、摂食障害において、拒食症と過食症は表裏一体だったりもする。そして、ギャル曽根は食べ過ぎる人であり、その表裏一体に足を踏み入れたかのようでありつつも、拒食症へとは反転しない。
つまり、金原ひとみとギャル曽根は、なんとなく容姿が似ている気がする――というだけでなく、食に関する互いのキャラクターが微妙な距離感にあるわけだ。仲がいいのか悪いのかわからない姉妹に似た立ち位置というか。
太宰治asin:4087520013の悩みなど乾布摩擦すれば消える、という三島由紀夫式の文学観からすれば、ギャル曽根は金原ひとみ的な感覚を丈夫な胃で乗り越えた姿と解釈することも、あるいは可能かもしれんが(笑)。