ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

ヤンキーと歌舞伎

  • 最近自分が書いたもの
    • 「BOOK おんざろっく 第8回 ヤンキーとガーリー」(とりあげた本は、五十嵐太郎編著『ヤンキー文化論序説』と誉田哲也『ガール・ミーツ・ガール』asin:4334926436) → 「ロックジェット」vol.36 asin:4401633091(ちなみに同号には、円堂都司昭インタビューも載っている)

ヤンキー文化論序説

ヤンキー文化論序説

同書↑で酒井順子が、ヤンキーと歌舞伎の共通性を指摘している(「女子のヤンキー魂 歌舞伎・ツッパリ・アゲ嬢」)。それは主に、歌舞伎の派手な衣裳や髪型がヤンキーのバッドセンスに通じるという話だ。
とはいえ、“日本国が誇る伝統芸能”としての歌舞伎とヤンキーでは、距離が大きいよな、と思う人も少なくないだろう。
しかし、歌舞伎座国立劇場などで演じられるお高い芝居ばかりが歌舞伎ではない。村芝居として伝わってきた地方の歌舞伎ならば、地元意識をベースにしている点でヤンキーと親和性があるだろう。
また、歌舞伎の地方興行をルーツとするのであろう現代のドサ回り芝居は、構成員を家族中心で固めているその“身内”意識が、ヤンキーに近い。梅沢富美男とか早乙女太一とか、メンタリティはヤンキーでしょ。
そういう意味では、確かにヤンキーと歌舞伎的なものはつながっていると思う。