ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

マイケル・ジャクソンと初音ミク

ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』では、ネット動画が発達して以降の音楽(との遊びかた)に関して、音+映像+αの同期の楽しさが目立っていることを考察した。その延長線上で最近、次のような原稿を書いた。

東京ディズニーランド開業30周年を記念して書いたこの文章では、音+映像+αの技術の先達としてディズニーに着目し、その楽しさが初音ミクにも継承されていると指摘した。文中ではディズニーの3D映像アトラクションにも触れ(最近、TDLの「スター・ツアーズ」がリニューアルされましたね)、故マイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」にも言及した。
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/tl/atr_captain.html


そういえば、ボーカロイドを大々的にとりあげた「別冊カドカワ 総力特集ニコニコ動画」では、阿部大護(ドワンゴコンテンツライプ事業部部長代理見習い)がインタビューで次のように発言していた(取材・文/ふくりゅう)。

別冊カドカワ 総力特集 ニコニコ動画  62484-77 (カドカワムック 473)
「“マイケルジャクソンが亡くなった今、後釜を担えるのは初音ミクかな“って思っていたんですけど、あながち間違ってないですよね?」


テレビのカラー化が進んだ1960年代のジャクソン5時代、MTVが流行した80年代の『スリラー』大ヒット、ネット動画が発達してフラッシュモブのネタとして再発見されたゼロ年代マイケル・ジャクソンの人気には映像文化の変遷とリンクしたそのような三度の波があった――と西寺郷太が指摘したことは、『ソーシャル化する音楽』でも紹介した。
マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)
このうち、MTV流行期の踊るマイケルをアトラクション化したのが「キャプテンEO」であり、ネット動画の波の時代にマイケルから初音ミクへの継承が結果的に行われたということになる。