ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

デイヴ・グロールの娘が“WE WILL ROCK YOU”

https://www.youtube.com/watch?v=zV4ANS--8lQ
デイヴ・グロールの娘が初めて覚えた曲だという“WE WILL ROCK YOU”を叩き、父が歌い、観客が合唱している。この動画を見て、なんだか、うわぁーっとこみあげてきた。


1992年2月19日に中野サンプラザニルヴァーナのライヴを観た。そのステージの終盤でベースのクリス・ノヴォセリックが唐突にクイーンの“WE WILL ROCK YOU”を歌い始め、ドラムのデイヴ・グロールが途中から例のドン・ドン・パをあわせようとしたのだが、うまくあわない。で、ヴォーカルのカート・コバーンは無反応のまま、ただ立ち続けていた。結局、ばつが悪くなったのか、クリスはサビが来る前に歌うのをやめてしまった。サビを聴かなければあの曲だとわからない人が大半だったと思うし、客席はしらーっとしていた。その時、カートは「WE WILL ROCK YOU」とはいわないアーティストなんだなぁと思ったことを記憶している。
そして、1994年4月5日にカートはショットガンで自殺したわけだが、遺書には「観衆の愛と崇拝を喜び楽しんでいたフレディ・マーキュリーのようには、喜び楽しみを感じられなかった。彼みたいにできるのは立派だし羨ましい」というようなくだりがあった。フレディはその3年前の1991年11月24日に亡くなっていた。


カートの死後、自らがリーダーになってフー・ファイターズを結成したデイヴ・グロールは、クイーンのブライアン・メイロジャー・テイラーと何度か共演している。
https://www.youtube.com/watch?v=THWSLCiRt1A
https://www.youtube.com/watch?v=5ALrsth9C40
そして、今では、デイヴは娘とともに観衆の前でクイーンの曲を演奏し、楽しんでいる。この時の流れに感慨を覚えたのだった。