バレエの振付家、モーリス・ベジャールが昨日、亡くなったという。80歳。
ベジャールといえば、フレディ・マーキュリーに捧げた『バレエ・フォー・ライフ』のカーテンコールで、出演ダンサーたちと登場したシーンを思い出す。
クイーンの〈ショウ・マスト・ゴー・オン〉が流れるのにあわせ、横に並んだダンサーと一緒にベジャールが一歩、また一歩とゆっくり客席に進んでくる。べつに複雑なステップを踏むわけではなく、ふとったおっちゃんが、ただ歩いてくるだけである。だけなのではあるが、体の姿勢、歩む間合い、周囲のダンサーとの呼吸が、やっぱりただ者ではなかった。人が並んで歩くだけなのに、なにやらスペクタクルを感じさせた。強烈な人でした。
黙祷。
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