最寄のコンビニが改装中で使えなくなったことを、昨日、禁煙に喩えた。なぜ、そう連想したのか、自分で思い当たった。僕はかつてそのコンビニのレジで毎日、マイルドセブンライト1箱を買うのを習慣にしていた。基本的に、他の店舗や自動販売機では買わない。買う場所を限定することで、節煙につなげようと思っていたのだった。
しかし、一昨年夏のたばこ値上げと同時に禁煙を決意した。これ以上の喫煙コスト上昇には自分の財政が対応できないと、大局的な見地から苦渋の決断を下したのである。
でも、長年吸ってきたんだから、とにかく口さびしい。以前、禁煙に失敗した時などみじめだった。たばこをチョキンチョキンと途中で切ってゴミ箱に捨てたのに、禁断症状に耐え切れず拾い出し、1本1本セロテープでつなぎ直して吸ったのだった。ちょっと、変な味がした。
だから今回は、移行期間として、口さびしさをまぎらわすものを購入することを自分に許可した。たばこの代わりに最初に買ったのは、都こんぶ。前日までたばこを仕入れていたコンビニで、である。アルバイト店員に、妙な顔をされた。僕の生活サイクルなどたいして変わりようがないから、似たり寄ったりの時間に店に行くわけで、アルバイトのシフトの関係で同じ店員とばかり顔をあわすようになる。だから、「あ、こいつ、昨日まで毎日たばこ買ってたくせに、都こんぶに変えやがった。禁煙かよ。いったい何日もつんだかねぇ」
という表情をされてしまった。
しかし、禁煙は続けられた。都こんぶからマシュマロ、ポテトチップス、柿の種、味つけ海苔へと代替物を次々にチェンジしつつ、たばこはもう決してくわえなかった。やがて代替物も口にしなくなったが、その分、食べる量が平均的に増加し、体重がアップして今に至っている。肺がんリスクを下げた代わりに糖尿病リスクを上げたっつうか。
――だから、コンビニを取り上げられて禁断症状を覚えるのは、昔、たばこを買っていた時期の記憶がうずいているのである。このように自己分析できて、自分としてはとても満足している。仕事が進まないことを穴埋めする達成感っつうか(こらこら、そんなこと代替してどうするっ)。