ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

オーケンと乱歩

NHK「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」(教育テレビ火曜日午後10:25、再放送火曜日午前5:05)で大槻ケンヂが語り手になり、「江戸川乱歩 幻影城へようこそ」が放送されている。全4回で今日が2回目。
特に目新しい作家論を語っているわけではないが、「屋根裏の散歩者」や「パノラマ島奇談」など、乱歩が描いた主人公たちにニート、フリーター、引きこもり、あるいはオタクの先祖を見出し、彼の作品を青春小説として読むのがオーケン流。
上記テクスト(鹿島茂による山田風太郎編と抱き合わせ)には、乱歩にヒントを得てオーケンが書いた筋肉少女帯の歌詞も掲載されている。〈孤島の鬼〉(名曲です)、〈パノラマ島へ帰る〉、〈ゴーゴー蟲娘〉の3曲がそれだが、ほかにも〈ペテン師、新月の夜に死す!〉、〈世界の果て〜江戸川乱歩に〜〉(もろレッチリなアレンジ)など、オーケンには乱歩からキーワードやイメージを借りた曲が少なくない。
そのなかで僕が一番気に入ってるのは、タイトルだけ乱歩からもらった〈月とテブクロ〉(《猫のテブクロ》に収録)。バラードの中間部に変拍子メタルが挿入された曲展開がイカしているのだが、Amazonでは現在取り扱いがない。残念。
http://www.kids.co.jp/King-Show/
エリーゼのために
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050627#p2 / http://d.hatena.ne.jp/ending/20040903