ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

〈おふくろさん〉マッシュ・アップ問題

おふくろさん

おふくろさん

森進一が持ち歌〈おふくろさん〉の前奏として、別の作詞家(保富康午)による(セリフっぽい)歌を勝手に追加し曲を改変したとして、オリジナルを作詞した川内康範が激怒している。
  http://www.sanspo.com/geino/top/gt200702/gt2007022103.htmlサンケイスポーツ
このニュースを聞いて思ったのは、演歌界において前奏は、昔っから“不純”な扱われかたしてきたんじゃないの? ってこと。
演歌のショーでは、司会者が詞的な表現で曲紹介することが多かった。「歌は流れるあなたの胸に」、「惚れた私が馬鹿なのか、騙したあんたが悪いのか」みたいな(小松政夫がよくパロディにしていたっけ)。芥川隆行のように、その種の詞的ナレーションを売りものにする大家だっていた。

そして、オリジナルの詞にはないナレーションを曲の前奏にまでかぶせることは、演歌の実演で珍しくなかった。つまり、歌メインの曲に、ラップ部分を後からリミックスするみたいなことを頻繁にやってきたわけ。
だから、歌本体を盛り上げるためには、前奏部分を装飾してもいいという感覚が、演歌界にはもともとあったといえる。今回の〈おふくろさん〉問題も、前奏をめぐるそうした土壌が背景にある。普通なら司会者が担当する曲の前ふりナレーションを、歌手本人が歌の形に様式化すると、あのような前奏になる――ということだ。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060407#p1

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