この新作には、〈ＨＥＡＲＴ−ＳＨＡＰＥＤ ＧＬＡＳＳＥＳ〉、〈ＥＡＴ ＭＥ，ＤＲＩＮＫ ＭＥ〉（←『不思議の国のアリス』からとったフレーズだが、マリリン・マンソンはこの曲名に自傷・自虐的意味をこめている）という曲が収録されている。２つの曲名を見て、カート・コバーンが自殺前に残したニルヴァーナ最後のアルバム《ＩＮ ＵＴＥＲＯ》に、〈ＨＥＡＲＴ ＳＨＡＰＥＤ ＢＯＸ〉、〈ＲＡＰＥ ＭＥ〉という曲があったのを思い出した。
今回のアルバムは、陰鬱である。マリリン・マンソンとディタ・フォン・ティースという強烈で面白すぎるカップルが、当然のごとく破局に至った後遺症なのだろう。ＭＭはこれまでのアルバムでは毎回、ライヴでファンがいっせいに叫べるタイプの曲を用意してきた。しかし、今回は、ミディアム・テンポの恨みがましい歌ばかり。まあ、もともと恨み節のバラードが似合う人だったし、僕もこのタイプの曲は好きだ。ただ、ここまで割合が多いと、１曲１曲聞くぶんにはよいのだけれど、まとめて聞くのはちょっとつらい。
あの濃いメイクを落として、素顔＆別名で別プロジェクトの音楽をやるとか、気分転換してみてもいい時期かも。
（関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20041017#p1）
