(小説系雑誌つまみ食い 21――「ミステリーズ!」Vol.23)
- 作者: 樋口有介ほか
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/06/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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http://www.tsogen.co.jp/mysteries/index.html
『赤朽葉家の伝説』asin:4488023932で日本推理作家協会賞を受賞した桜庭一樹と、『シャドウ』asin:4488017347で本格ミステリ大賞を獲った道尾秀介の特別対談が掲載されている。そこでの道尾発言。
僕にとって物語とトリックというのは、歌に喩えれば歌詞とメロディーなんです。紙に歌詞だけ書いてあってもたいして面白くないし、メロディーだけ取り出してインストゥルメンタルで聞いても面白くない。歌は歌として聞くのが好きなんです。
自分は、本格ミステリ大賞で『シャドウ』に投票した。この喩えでいえば、歌詞とメロディーの両方を引き立てる“転調”の見事さを評価したのだった。
さて、この喩えをさらに応用するなら、詞(物語)はあってもメロディー(トリック)が貧弱なミステリに対しては「お前はラッパーか?」、詞もメロディーもないに等しい作品に対しては「環境音楽か?」と、つっこめばいいでしょうかね。