ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

SPARKS、JUSTICE

SPARKS@渋谷

先週のことになってしまうが、23日、渋谷O−EASTでスパークスを見た。その日は、第1部が《エキゾティック・クリーチャーズ・オブ・ザ・ディープ》、第2部が《キモノ・マイ・ハウス》、アンコールで〈恋の自己顕示〉など――という構成だった。


第1部は、少しレビュー風の仕立て。バックのメンバーはそれぞれ額縁の中にいて、ステージの真ん中にはスクリーン。ロンがスクリーンに映ったピアノを弾く場面もあった。また、時おり女性ダンサーたちが登場し、ロンのコスプレ&妊娠姿でポーズをとったり。全体的に、スパークスのキャバレー感覚がよく表れた演出になっていた。
EXOTIC CREATURES OF THE DEEP(DVD付)
第2部以後は、特にギミックはなく、真正面からの演奏だった。歳をとり、昔とは声質が違うとはいえ、ラッセルのファルセットは未だにインパクトが強くて、たっぷり聞かせた〈赤道〉でのスキャットなど見事だった。

キモノ・マイ・ハウス+3(紙ジャケット仕様)

キモノ・マイ・ハウス+3(紙ジャケット仕様)

この夜は、本当に堪能させてもらった。

〈This Town Ain’t Big Enough for Both of Us〉

実は、スパークスに関しては、《キモノ・マイ・ハウス》の〈ディス・タウン〉が突出して好きで、この1曲さえ聞ければ満足だ、くらいに思っていた(その意味では、ライヴ全体がとても面白かったので、すごい儲かった気分)。

グラムっぽいグリッターな音色で弾かれるオリエンタルなギター・リフ。〈ディス・タウン〉のあのギターを聞くと、クイーンのブライアン・メイが、スパークスに加入を誘われたって一件が、なぜだったのかよく理解できる。
で、これは曲自体がお気に入りなので、スパークスのオリジナルだけでなく、スージー&ザ・バンシーズのヴァージョン、フェイス・ノー・モアとの共演および彼ら単独のカヴァー、いずれも好きなのだ。
Through the Looking GlassThis Town Ain't Big Enough


また、ザ・ダークネスで、もろクイーンな曲も歌っていたジャスティン・ホーキンスも、ブリティッシュ・ホエールというプロジェクトで<ディス・タウン〉を歌っていた。
This Town Ain't Big Enough for

JUSTICE《COOL CATS》

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3552836
というわけで、昨日、HMVでこれ↑を見かけて衝動買い。ジャスティスによるミックスCDなのだが、最初がスパークス〈ディス・タウン〉で、最後はソフト・セル〈メモラビリア〉という全29曲構成。キャバレーで始まり、キャバレーで終わるみたいなもんでしょうか。
平均的なエレクトロもけっこう入っているが、プロディジー、プリンス、ヴァネッサ・パラディマイケル・ジャクソンなど有名どころを連発する節操のなさ、ケバケバしさが強力。この種のためらいのなさ、恥知らずさは好き。ジャスティス〜ベースメント・ジャックス〜エイフェックス・ツインクラフトワークの流れとか。
当分の間、皿洗う時のBGMはこれだな。