ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

五島勉、小松左京と氷河期

ノストラダムスの大予言』(1973年)の著者、五島勉が90歳で死去していたと伝えられた。

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 私は『ノストラダムスの大予言』を一つの軸にして『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』を書いたのだった。お世話になりました。  

 

 今となっては、『ノストラダムスの大予言』は1999年に空から恐怖の大王は降ってこなかったねーって話になる。それ以上にはずれたのは、「大地と大気は冷えていく」という予言詩だろう。同書と同時期に『日本沈没』(1973年)がベストセラーになった小松左京は、最近では『復活の日』(1964年)で現在のパンデミックを予想していたかのように思える。でも、1970年代にはいずれ氷河期がくるのではないかと真面目に議論されていて『ノストラダムスの大予言』はそれに乗っかっていた。そして、小松も地球が冷える可能性を真面目に議論していたのだ。地球温暖化など想定されていなかったし、その意味では五島だけでなく小松も予言者ではなかった。