ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『≒会田誠〜無気力大陸〜』

昨日、日本映画専門チャンネルで『≒会田誠〜無気力大陸〜』(2003年)を放送していた。技法をとっかえひっかえしながら、旺盛に作品を送り出し続ける現代美術家を追ったドキュメンタリー。http://www.bbb-inc.co.jp/aida/
この映像記録の編集で、主軸となっていたのが「人プロジェクト」の絵画の制作過程だった。大きな画面いっぱいにジャングルを描いていくのだが、そのうちの広い面積が切り拓かれアスファルト舗装で整地されている。そして、横断歩道のラインみたいな白さで巨大な「人」の字が塗られる。こうしてジャングルに出現した「人」の字を、俯瞰で絵にする。http://mytown.asahi.com/niigata/news01.asp?c=16&kiji=426
大自然のなかに、これ見よがしに人工であることの印を残してみせた風刺的作品(というか、ここまでベタな皮肉をやると、「風刺すること」に対する風刺にもなっているが)。
アトリエにしている雑居ビルの1室で、会田は、森の濃淡を細かく塗ることに関しては美学生たちを助っ人に使い、作業を進めていく。その制作風景が、ドキュメンタリーのところどころに挿入される。室内では、椎名林檎をBGMにしたりもするのだが、なぜかラジオの交通情報が流れていることが多い。「××道は〇〇から××キロ渋滞。△△線は事故のため片側車線規制が〜」とかいうアレ。他のラジオ番組だって放送しているだろうに、どこに出かけるでも急ぐでもない現代芸術家が、どうしてか道路の停滞状況を好き好んで(?)聞いている。
考えてみれば、ジャングルにいきなり四角く巨大な土地が切り拓かれ「人」と大書されても、それは道路としても空港としても機能せず、ある種のどんづまりでしかない。だったら、交通がふんづまりになる状況を伝える渋滞情報を聞きながらこの作品を制作するのは、テーマとしてはよくシンクロしているのかもしれない。


制作中の会田が、ジャングルなんかを延々と塗っていても面白くない、女の子を描くほうが楽しいとぼやいたのには、笑った。そりゃそうだわな。なので、会田の絵を表紙にした下の本を掲げてみる。
ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)

  • 21日夜の献立
    • 豚肉とえのきの炒め物(オイスターソース、ゴマ油ベースのラー油、きざんだ青ねぎ、ニンニク、こしょう)
    • ラタトゥイユ(なす、ブロッコリー、玉ねぎ、ピーマン、こしょう、洋風だし、白ワイン、カットトマトの缶詰。ブロッコリーは煮込むと色が悪くなる、ゆでたものを最後に入れて鮮やかな緑色を維持せよと厳しく叱責される。泣)
    • 白米1:赤米&ひえ1のごはん
    • 雑酒
    • ポテチ(のり塩