- アーティスト: ロバート・フリップ
- 出版社/メーカー: WHDエンタテインメント
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: CD
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フリップのソロを集めるのは、正直な話、今や意地みたいなもの。今回は買わずに、HMVのポイントがたまってから、ようやく引き換えたという……。でも、これ、わりといいですわ。
フリップのサウンドスケープものについては、《ザ・ゲイツ・オブ・パラダイス》の響きにタイトルみたいな荘厳さがあってよかったとか、亡き母に捧げた《ア・ブレッシング・オブ・ティアーズ》のコード感から哀しみが伝わってグッときたとか、個人的には思いました。
とはいえ、ギターをほとんど発信機みたいに扱いループさせる実験音楽なのだから、どのサウンドスケープ作品もあまり区別がつかないっていえば、つかない。いいも悪いも“気のせい”かも、っつうか(笑)。
今よりアナログだった実験前段階=フリッパートロニクス(+そのダンス的展開=ディスコトロニクス)の《ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン》のほうが、ギターをいじる“手つき”がもっと音から見えそうな、妙味があった。さらにいってしまえば、この路線の発端となったかつてのフリップ&イーノ結成時の作品のほうが、ギター・ソロらしい聞き応えはあった。
しかし、今回の新作は、ただモヤモヤしたアトモスフェアを鳴らすだけでなく、フレーズを弾いたり電子変調ヴォーカルをのせたりしている。また、アルバムには過去のライヴ音源も混ぜられており、特に〈イースター・サンデイ〉では、サウンドスケープにからめてアコースティック・ソロ、エレクトリック・ソロ、フリッパートロニクスが次々に展開されていく。つまり、ギター奏者フリップを5分半に凝縮しているのだ。この曲は、僕の好きなフリップのソロ曲上位に入るものとなった。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050411)