ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

細川貂々『ツレがうつになりまして。』

ツレがうつになりまして。
働きバチだった夫=ツレがウツになり、会社を辞め主夫に転じた様子を、妻=てんさんの視点から描いたエッセイ・マンガ。
朴訥な絵で二人の生活がユーモラスに語られていく。けれど、やっぱりウツのダークサイドは、とらえられているわけで……。
夫が以前は好きだったクラシックを遠ざけるようになり、バリの民族音楽(ケチャ ケチャ ケチャ ケチャ)を正座して聞いている場面など、ちょっと怖い。
そして、僕的に凍りついたのは、料理を楽しみとしていた夫が、

「てんさん もう ダメだ……」
「なに? どしたの?」
「ボクどうしても お弁当が作れないよー
 お弁当 作りたいのにー」

と魂の叫びをもらしつつ、床にへたりこむところ。自分もひとつ歯車がズレると、冷蔵庫の前でこんなことをいうようになるんだろうか……などと思うと、なんともいえん気分になる。


細川貂々は、浦安市在住の漫画家・イラストレーターだという。
http://townguide.urayasu-i.net/?cid=420
彼女の前作『かわいいダンナとほっこり生活。』については、市内の商店で紹介のビラを見かけたことがあった。その時には、ああ、浦安を舞台にした夫婦マンガでちょこっと話題になった『奥さまはマリナーゼ』(ほしのゆみ)の二番煎じかぁ、としか思わなかった。
でも、「ほっこり」の中身は脳天気なものではなく、こういうことだったのだね。快方に向かっているようなので、なによりです。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20051126#p1

  • 13日夜の献立
    • 金目鯛の味噌漬け(もらいものの残り)
    • さば味噌
    • ごぼうの麦味噌炒め煮(ごま油、粉末だし、みりん。ついでにオクラ)
    • ぜんまいの炒め煮(ごま油。めんつゆ、みりん)
    • キャベツの酢漬けっぽいやつ(白ワイン、ワインビネガー、粒こしょう、ブイヨン、ディル)
    • 大根の味噌汁
    • 玄米ごはん(刻んだ甘栗&すった黒ゴマをまぜまぜ)――(いつもより、やや品数多め。上のような話も読んだことだし、自分は今、料理を楽しめていると確かめたくなった面はある。で、ふと気づけば、味噌味が多いなぁ。現状のバランス感覚はいまいちか)