ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

サントラ《マリー・アントワネット》

学生だった頃、ミニコミのサークルに所属していた。坪内祐三が『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』ASIN:4104281026マイルストーン」である。僕はそこで幽霊部員だったのだけど、メンバーの一部が別に演劇サークルを立ち上げた時、公演の録音を頼まれた。最前列に座ってラジカセのスイッチを入れるとか、原始的なことをした覚えがある。だが、僕は風邪を引いていて、「セリフより、お前の咳のほうがデカく録れてるじゃねえか」と言われたっけ。
その時の演目がなぜか、『ベルサイユのばら』だった。BGMにはロックが使われていて、黒の騎士の登場にはキング・クリムゾン〈レッド〉(なんで、黒に赤?)、オスカルとアンドレが一夜をすごすシーンには、ポリス〈見つめていたい〉といったぐあい。
そして、フランス革命の場面には、ザ・クラッシュの〈ロンドン・コーリング〉が大音量で……。
Marie Antoinette
ソフィア・コッポラ監督『マリー・アントワネット』のサントラ。いきなり、スージー&ザ・バンシーズの〈香港庭園〉が流れ出す(イントロにストリングスを加えたヴァージョン)。パリで香港? というわけで、フランスにロンドン? だったあの『ベルばら』学生芝居を思い出した。
それにしても、このサントラは、バウ・ワウ・ワウのケヴィン・シールズによるリミックス(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、大好きだった)、アダム&ジ・アンツ、ニュー・オーダー、ギャング・オブ・フォー、ザ・キュアーなどの80年代ニューウェイヴを軸に、エイフェックス・ツインスクエアプッシャーストロークス、そしてヴィヴァルディなどを入れた代物。なかなか、俺好みである。
1月公開の映画も見ることにしよう。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060912#p1


そういえば、涼風真世がミュージカル版の『マリー・アントワネット』を演じている。彼女は宝塚時代、近衛隊のオスカル役をやっていたわけで、王妃に出世したことになるのかしら。

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