ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『クローズド・ノート』と『恋空』

映画の舞台挨拶をめぐり、ふてくされていた沢尻エリカと、病気をおして出席した新垣結衣が、対比されて報道されている。
2人の主演した映画の原作が、雫井脩介クローズド・ノート』、美嘉『恋空』であるのが興味深い。『恋空』はご存知の通り、ケータイ小説界を代表するベストセラー。これに対し、『クローズド・ノート』も、もともとは携帯サイトで連載された恋愛小説である。
クローズド・ノート
恋空〈上〉―切ナイ恋物語
若い世代に支持されてきたケータイ小説は、ケータイというメディア特有の軽々しく速いスピード感で書かれ読まれている。一方、おじさん世代の雫井の小説は、携帯サイトという連載場所に対し、部屋の以前の居住者が置き忘れたノートという紙メディアを、あえて重要なポイントにすえた。そして、紙メディアの“遅さ”、もどかしさにある種の純粋さを象徴させようとした。2人の若い女優の対比以前に、映画2本の原作小説自体が、対照的な性質のものだったのだ。
それにしても、沢尻エリカなんてヤンキー体質なんだから、大人の作家があえて古風にこしらえた恋愛小説よりも、若いねえちゃんがテキトーに書き飛ばしたケータイ小説を原作に主演したほうが似合っていたと思う。ま、どうでもいいけど。


(……と、とりあえず書いてみたけれど、新谷里映というライターが、『クローズド・ノート』を「ブログではなく手書きの日記が引き起こす切ないラブストーリー」という観点で評しているのを今知った。
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/review/2007/09/2535/

  • 2日夜の献立
    • カレーライス(ジャワカレーのルー。オリーブオイル、にんにく、しょうが、ディルウィド、ガラムマサラ、青とうがらし。たまねぎ、にんじん、じゃがいも、骨つきチキン。トマトジュース、ケチャップ、米あめ、いちごジャム。白米ごはん) ← 香りと甘みをごちゃごちゃやりすぎて意図不明の路線に……。
    • らっきょ
    • 雑酒、チューハイ