ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『推理小説年鑑 ザ・ベストミステリーズ2005』

レッド・ツェッペリンジミー・ペイジで有名なダブルネックギター、あるいはジェネシスマイク・ラザフォードが弾いていたギターとベースが一体になったやつ。二人羽織みたいにもう一人いない限り、上下2本ぶんをいっぺんには弾けないわけだが、ああいう異形の楽器には一種のお得感というか、妙な魅力がある。誰だったか忘れたが、ギターとマンドリンって組み合わせもありました。チープ・トリックのリック・ニールセンなんか、5本ネックのギターを嬉々としてかきむしってたなぁ。音楽的にはまるで意味ないと思うんだけど。
で、ギターの6本とベースの4本と弦をまとめて張り、加工して実用的にしたのがキング・クリムゾントニー・レヴィンが使うスティック、同じくクリムゾンのトレイ・ガンが愛用するウォーギターだった。また、ドラマーがスティック(前記の弦楽器じゃなく叩く棒のほうね)でベースの弦を叩くという演奏法が存在するが、トニー・レヴィンはそれを一人でやるため、指に棒を装着する(ファンク・フィンガーズ)方法も開発している。
通常以上の過剰を盛り込んだ楽器や演奏法ってのは、その分過剰な音楽が聞こえてきそうで、なんかワクワクする。事故後に片腕となったデフ・レパードのリック・アレンが、ドラマーに復帰した際の衝撃ってのは、彼が(エレクトリック・ドラムを使用しつつ)ある意味で過剰さを演じてくれたからだった。
ザ・ベストミステリーズ〈2005〉―推理小説年鑑
この本は、僕も作品選びにかかわった日本推理作家協会の年間ベスト短編集。ここに収録された中島らも「DECO−CHIN」(初出『蒐集家(コレクター) 異形コレクションISBN:4334737390)は、そんな過剰な音楽への憧れを活字化した一編だ。小説好きのロック・ファンにはぜひ読んで欲しい。同作に登場する異様なバンドに接すれば、コージー・パウエル《オクトパス》ASIN:B00000JA96くなる。

そのほか、この選りすぐりのアンソロジーから本格ミステリ・ファン向けに推薦するとしたら、朝松健「東山殿御庭」、荻原浩「お母さまのロシアのスープ」あたりか。

  • 12日夜の献立
    • ニラハンバーグ(豚ひき肉、刻んだニラ&長ネギ、おろししょうが&ニンニク、ごま油少々、塩、こしょう。それをサラダ油で焼いた残り汁にオイスターソース、コチュジャン、ケチャップ、しょうゆ、酒を入れて熱しソースに)
    • レタス、大根、ミニトマトのサラダ(ポン酢)
    • 大根の葉とエノキの味噌汁
    • アミの佃煮
    • 玄米1:白米1のごはん