ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

もやしとラーメン

この雑記帖では基本的に、自分の作った料理を記録している(一部調理を手伝ってもらったものも混じっているが)。でも今日は珍しく、外食について記す。

今夜は一人だったので、近所の店にて味噌坦坦麺を食した。味はそこそこ好みだった。
問題は、トッピングのもやしである。自分は、もやしもラーメンも好きだが、ラーメンにもやしがのるのは苦手なのである。この二つは太さが似ているくせして、もやしはシャキシャキ、麺はモチモチであって食感が異なる。一緒に口の中に入れると互いが持ち味を殺しあう気がするし、どうも噛んでいて心地よくない。だから、なるべくもやしはもやし、麺は麺で分けて食べるようにしている。
ところが自分は、麺はすぐのびるという、やや恐怖症めいた思い込みがある。こんな風にのろのろもやしと麺を分けていたら、麺は水分を吸ってふやけ、一番美味しい頃を食べ逃すことになる――とあせり始める。で、不本意ながら、麺がのびる前に食べるためにはもやしがまじっていてもしかたがない、とあきらめる瞬間がやってきて、最後は両者を一緒に口にかき込むのだ。その時の敗北感……。
俺はもやしののったラーメンを食べるたびに、この敗北感を味わっているなぁ、とあらためて今日自覚し、なにやら非常に寂しくなった。