カッコいい初期設定でスタートしたこのコミック。そのルールがどんどん複雑化し、内容が混迷を深めていくのに対し、前巻まではそれでもなんとか楽しもうと、自分を納得させるような理屈を探す気力が残っていた。やっぱり、代金払ったぶんくらいの快楽は欲しいじゃない? でも、自分を説得するのも、そろそろ限界かも……。
ノートをめぐり、なにやらややこしい頭脳戦を繰り広げている人たちが、なんのためにそうしているのか、どうでもよくなってきた。ノート争奪戦にかかわっていない一般人の動向は、時々もうしわけ程度に挿入されるだけ。この大衆の熱狂ぶりをもう少し描きこんでくれていれば、やはり大衆の一人でしかない自分も、ここで起きていることの大問題ぶりにもっとスペクタクルを感じたかもしれない。だが現状では、ノート・マニア同士のマニアックな駆け引きに、普通人である自分は疎外感を覚えるばかり……。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050905#p2)