ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

大槻ケンヂと橘高文彦《踊る赤ちゃん人間》

この2人に、三柴理まで参加しているんだから、音は完全に筋肉少女帯
生まれた時は同じだったはずなのに、どんどん運命に差がついて、それならいっそ赤ちゃんに戻ってしまえと開き直る〈踊る赤ちゃん人間〉。「あばば あばば」とむずがってみせるオーケンの熱唱が、格差社会の現状を鋭く告発する(笑)傑作である。ああ、“大人のロック”に、この赤ちゃんロックを叩きつけてやりたい。
ほか2曲は、ヘタレがひたすら言いわけするナレーションが笑いと哀れを誘う〈日本引きこもり協会のテーマ〉と、〈踊るダメ人間2006〉というリメイク。社会に乗れない人間の悪あがきで、マキシシングル1枚が統一されている。
ロックやフォークが若者向けに普及していった60年代には、社会のコースからはずれることは「ドロップアウト」と呼ばれ、なにやら勇気ある行為のようなプラスのイメージづけもあった。ところが今、「ドロップアウト」にあたる行為(引きこもり、ニート、フリーター……)には、ヘタレたイメージがつきまとう。というか、それは行為でなく“無行為”と扱われる。
かつて、「ドロップアウト」への共感を歌ったのがロックであったなら、オーケンは現在、それを反復しているわけ。その意味で今、オーケンほどロックしてるヤツはほかにいない。ただ、ロックすればロックするほど、笑いを誘うのはなんだけれど(爆笑)。
これだけでも、かなり強力なシングルだが、もしも〔はたらけー はたらけー〕と繰り返す筋少労働者M〉まで再演していたなら、フリーター向けにはダメ押しになっただろうなと想像する。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060622#p1

  • 1日夜の献立
    • 金目鯛の味噌づけ
    • ゴーヤーとにんじん、ひじきの炒めもの(ゴマ油、めんつゆ、梅肉。あとから、軽く茹でたオクラ投入)
    • あずきかぼちゃ
    • 小松菜の味噌汁
    • 玄米ごはん
    • ビール