ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

秋の「食」特集

(小説系雑誌つまみ食い 5――「小説すばる」10月号)

小説すばる 2006年 10月号 [雑誌]

小説すばる 2006年 10月号 [雑誌]

最新号のメインの特集は“北方水滸”ASIN:4087747824、秋の彩り「食」特集も掲載されている。

朱川湊人「あこがれの味平ライス」

「記憶に残る美味しい情景(シーン)エッセイ」を15人が書いており、そのうち朱川湊人は、「あこがれの味平ライス」という文章を寄せている。
味平ライスといえば、牛次郎作/ビッグ錠画のマンガで『包丁人味平ASIN:4086171813(だっけ?)のシリーズで作ってみせた、チャーシュー入りチャーハンのこと。振り返ってみると僕は、料理番組や料理本に触れるよりも前、小学校時代にまず『包丁人味平』に出会っていた。段取り、調理法、味付けなど、料理に関する基本的なことは、『包丁人味平』で知ったのだと思う。だから今でも、自分がチャーハンを作る時は、どこかに「味平ライス」が理想としてある。
朱川のこのエッセイは、『包丁人味平』の対決シーンの臨場感を思い出させてくれて、懐かしかった。

小川勝己「トンカツ ごはん お味噌汁」

特集では、「食」の短編競作も行われており、小川勝己のこれもその一本。文化祭でバンドをやろうとする高校生たちの話だ。で、「トンカツ ごはん お味噌汁」という体育会系っぽく豪快なタイトルからは想像できないだろうが、これはシド・バレットピンク・フロイド)追悼の要素も含んだ短編である。〈Shine On You Crazy Diamond〉が、一つのポイントになっている。

蕎麦の生クリーム炒め

さらに「食」特集のグラビア・ページでは、料理家の高山なおみが小説に出てくる料理3品を実際に作ってみたものが写真入りで紹介されている(レシピ付き「物語の食卓」)。このうち、瀬尾まいこ幸福な食卓ASIN:4062126737蕎麦の生クリーム炒めがやたらと美味そう。今度、作ってみよっと。

  • 15日夜の献立
    • 適当にスパ(鶏、なす、ピーマン、オリーブオイル、鷹の爪、にんにく、ブイヨン、白ワイン、こしょう)
    • 生ワカメ、ワカ芽かぶ、長ネギにポン酢
    • 雑酒、チューハイ
    • エンドウ味のカール