ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

永江朗「ベストセラーってなんだ?」@浦安市立図書館

浦安市立中央図書館では現在、「ベストセラーってなんだ?」というテーマで所蔵本の特集展示を行っている。
http://library.city.urayasu.chiba.jp/special/special/index.html
それにあわせて昨日、同図書館にて「ベストセラーってなんだ?」と題した永江朗の講演があった。


当日、永江も語っていたことだが、本を無料で貸し出す図書館は、本を作り販売する側の出版社や作家と軋轢を抱えている。早い話が、商売の邪魔しやがって、ということ。そのように責められる当事者が自ら、「ベストセラー」という本の商売にかかわる鬼門のテーマを持ち出したのだ。浦安市立図書館は、なかなかチャレンジャーである。僕も市民として褒めてあげよう。


講演中には当然、ケータイ小説に関する話題も出た。永江が出版・書店関係者からの伝聞を交えて語ったのは、以下のようなことである。

  • ケータイ小説の読者は、地方の女子中高生が多い。
  • 『NANA』のような少女コミックの売れかたに似ており、ケータイ小説は絵のないコミックといえる。
  • 初版は4〜5万部からスタートし、郊外型書店に重点配本される。


永江の講演では触れられていなかったが、ケータイ小説がTSUTAYAでよく売れているという件は、以前書いた。
http://d.hatena.ne.jp/ending/20070720#p1
で、最近、気がついたのだが、浦安駅前の西友に入っている文教堂書店は、ケータイ小説の置き場所を変えた。以前は一般文芸書コーナーに並べていたのに対し、現在はコミック、ボーイズ・ラヴ関連、ゲーム攻略本などの近くに置くようになった。
ちなみにライトノベルは一般文庫の並びではあるが、通路を挟んですぐコミックという場所で売られている。ラノベケータイ小説の間にはコミックの棚がいくつかあるので、ちょっと離れている。
文教堂のこの変更もそうだけれど、ケータイ小説読者という新規の客を相手にどう対応すればいいか、まだ戸惑っている――それが書店の実感ではないのかな。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20071209#p2

ベストセラーだけが本である

ベストセラーだけが本である

昨日はその後、六本木のサントリー美術館で開かれていた「鳥獣戯画」展に出かけた。おちゃらけた獣たちの姿を眺め、しばし和んだ。


そして今夜は、WOWOWで矢沢永吉の武道館ライヴ生中継を見て熱狂。