ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

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『2009本格ミステリ・ベスト10』

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本格ミステリベスト10 2009作者: 探偵小説研究会出版社/メーカー: 原書房発売日: 2008/12/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (31件) を見る ↑自分は、鳥飼否宇インタヴュー、ネット読者投票ランキングの紹介、ブック・レビュ…

“New Orthodox”=「新本格」なのか……

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最近自分が書いたもの 「“New Orthodox” Japanese Crime Fiction」(康恵林訳)→ 「PLATFORM」2008 11・12 どういうわけか韓国の雑誌↑から依頼があり、「新本格」登場以後の日本ミステリ周辺の流れをざっくり紹介した文章(が現地語に訳されて掲載された。「…

『2009本格ミステリ・ベスト10』読者投票スタート

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この季節になってまいりました。みなさま、投票をよろしくお願いします。 http://www.harashobo.co.jp/mystery/myrank09.htm 先日の「ワセブン」10時間シンポについては、当然、いろいろ思うところはあるが、上記ムックの作業に集中せねばならぬ時期である…

「場所性」のキャラ立ち

(小説系雑誌つまみ食い 36――「メフィスト」9月号/「小説すばる」9月号) メフィスト 2008年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/08/07メディア: 雑誌 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る 「メフィスト」9月号に、渡邉大輔が…

日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ』

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自分も作品選考にかかわったアンソロジー。 なかでも、日本推理作家協会賞短編部門を受賞した長岡弘樹「傍聞き」は、ミステリとしての趣向と情緒的な要素が見事に組み合わさった絶品。

探偵小説研究会『ニアミステリのすすめ』

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最近自分が書いたもの 「カカシによる監視」(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』×三津田信三『厭魅の如き憑くもの』の比較論考) → 探偵小説研究会編著『ニアミステリのすすめ 新世紀の多角的読書ナビゲーション』(原書房)

『本格ミステリ08』が出ますよ。

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本格ミステリ08 二〇〇八年本格短編ベスト・セレクション (講談社ノベルス ホ A-08)作者: 本格ミステリ作家クラブ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/06/06メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (16件) を見る 最近自分が書いたもの 本格…

前田塁『小説の設計図』

25日に青山ブックセンターで、『文学賞メッタ斬り!2008年版 たいへんよくできました編』asin:4891947748刊行記念 大森望・豊崎由美×市川真人(+前田塁) トークショウ「メッタ斬り!をメッタ斬り?」を見てきた。 前田塁『小説の設計図(メカニクス)』…

第8回本格ミステリ大賞

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本日の公開開票式で、今年度の本格ミステリ大賞が決定した。 小説部門――有栖川有栖『女王国の城』 評論・研究部門――小森健太朗『探偵小説の論理学』

『「謎」の解像度』

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円堂都司昭 評論集『「謎」の解像度(レゾリューション) ウェブ時代の本格ミステリ』−−見出し一覧 (略称:なぞレゾ) *スペースや制作進行の都合上、本の目次に細かい見出しまで載せられなかったので、ここに紹介しておきます。 はじめに プロローグ 基本…

“ミステリー”殺人事件

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(小説系雑誌つまみ食い 31――「ダ・ヴィンチ」5月号) 「ダ・ヴィンチ」には以前、「ミステリー ダ・ヴィンチ」というコーナーがあった。同コーナーの記事を集めて、『ミステリー迷宮道案内』asin:4840107386という本が出たこともあった。 しかし、昨年5月…

続「ミステリ・ジョッキー」。そして「文化系トークラジオLife」――(“DJ的”雑考 4)

(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 6)(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 3) 『その音楽の〈作者〉とは誰か』『聴衆をつくる』 音楽学者・増田聡の原稿に関する考察から始まった「“DJ的”雑考」が、なぜミステリ界の評論家批判や「ミステリ…

昨日の続き(「本格論争」、『本格ミステリ・ベスト10』)

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(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 2) 昨年末刊行の『2008本格ミステリ・ベスト10』および『活字倶楽部』2008冬号の有栖川有栖インタヴュー、今年になってからの笠井潔、千野帽子の批判など、その後も「本格論争」の余波はうかがえる。 評論は、…

「綾辻・有栖川のミステリ・ジョッキー」――(“DJ的”雑考 3)

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(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 5)(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 1) (小説系雑誌つまみ食い 30――リニューアル後の「メフィスト」、「活字倶楽部」2008冬号) メフィスト 2007年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/0…

さらに、自分探し、『犬神家の一族』、『さよなら妖精』

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市川崑監督『犬神家の一族』 市川崑監督が亡くなったのに伴い、先月、映画『犬神家の一族』がテレビで放映された。 この物語においては、太平洋戦争において自分のミスが原因で部隊を全滅させてしまったという自責の念を持つ者が、大量殺人事件にかかわるこ…

「批評のこと。」のこと

(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 0) 抱えている仕事の多さと身内の諸事情のため、身動きがとれない。少なくとも月内はもう、この場で長い文章は書けないと思う。自分が感じたポイントだけ今日走り書きして、いったん終わります。あしからず。 1.「評論…

ローレゾリューションとネタ的コミュニケーション

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(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 1) 『CONTENT’S FUTURE』と『わたしたち消費』 CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)作者: 小寺信良,津田大介出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2007/08/02メディア…

宝塚花組「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴」

(警告! 結末に触れています) 黒蜥蜴 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1993/05/12メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 58回この商品を含むブログ (14件) を見る NHK衛星第2で放映された宝塚花…

真保裕一『追伸』と『クローズド・ノート』

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最近自分が書いたもの 島田荘司『龍臥亭幻想』(光文社文庫)asin:4334743188の解説 真保裕一『追伸』書評 → 「TIMELY BOOK NEWS」10月11日号(旭屋書店のメルマガ) ↑『追伸』は全編、手紙のやり取りだけで構成された小説。(ケータイ的…

「CRITICA」第2号通販開始

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探偵小説研究会の同人誌「CRITICA」第2号の通販を開始しました。 詳しくはこちら。 http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/critica.htm 最近自分が書いたもの 「真剣なごっこ遊び」(天童荒太原作・堤幸彦監督の映画『包帯クラブ』に関…

「CRITICA」第2号

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探偵小説研究会の同人誌「CRITICA」第2号をコミケで販売します(私は、「道尾秀介の『眼』」という原稿を書きました)。 詳しくはこちら。 http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/critica2.htm

円城塔「オブ・ザ・ベースボール」/『Self-Reference-ENGINE』

文学界新人賞受賞作で、今回の芥川賞候補作の一つだった「オブ・ザ・ベースボール」。一年に一度くらい人が降ってくる町があり、レスキュー隊がそれをバットで打ち返すという、それだけのアイデアで押し通した話だ。受け流さない点は異なるものの、ムーディ…

日本推理作家協会編『推理小説年鑑 ザ・ベスト・ミステリーズ2007』

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ザ・ベストミステリーズ2007 (推理小説年鑑)作者: 日本推理作家協会出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/13メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る 「序」において大沢在昌会長が記している通り、今回からこのアンソロジーに…

石田黙展

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折原一の『黙の部屋』は、70年代に活動した謎の画家・石田黙の伝記的小説であり、ちょっとした作品集でもあるという性格を持っていた。この本に掲載された図版に接してから、一度、石田黙の実物の絵を見てみたいと思っていたのだ。 そして今、彼の絵のコレ…

米澤穂信「入荷と返品の間に残るもの」

(小説系雑誌つまみ食い 22――「小説すばる」7月号) http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/ 「小説すばる」はこの号で、「本屋さん大好き!!」という特集を組んでいる。 そのなかで南陀楼綾繁が、実録・妄想の向こう側「本屋さんになりたい。」というレ…

貫井徳郎『夜想』

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新興宗教をとり上げた点で、『夜想』はデビュー作『慟哭』のテーマを引き継いだ作品である(信仰というテーマでは『神のふたつの貌』も)。 『慟哭』(1993年)は、二つのストーリーが並行して進む小説だったが、そのうちの一つはある男が新興宗教団体に…

歌う道尾秀介

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(小説系雑誌つまみ食い 21――「ミステリーズ!」Vol.23) ミステリーズ!vol.23作者: 樋口有介ほか出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/06/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る http://www.tsogen.co.jp/mysteries/ind…

芦辺拓『からくり灯籠 五瓶劇場』

「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」などの演目を残した歌舞伎作者・並木五瓶を主人公にした連作集。いわゆる本格ミステリではないが、ミステリ的趣向(+怪異)を含んだ、なかなか凝った作りの時代小説になっている。 歌舞伎には、実際に起きた事件…

第7回本格ミステリ大賞

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本日の公開開票式で、今年度の本格ミステリ大賞が決定した。 小説部門−−道尾秀介『シャドウ』asin:4488017347 評論・研究部門−−巽昌章『論理の蜘蛛の巣の中で』asin:4062135213 最近の自分の仕事 鳥飼否宇『痙攣的』の文庫解説asin:4334742440 本格ミステリ…

若林幹夫『郊外の社会学 現代を生きる形』

東浩紀・北田暁大『東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム』asin:4140910747が、サブカルチャー、広告、ヴァーチャル・リアリティなどイメージの問題に多くのページを割いていたのに対し、若林幹夫の『郊外の社会学』は、住まい、暮らしの場としての郊…