ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

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映画『東京少女』

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現代の高校生・未歩(夏帆)の落としたケータイ電話が、なぜか明治時代の時次郎(佐野和真)の手にわたる。作家志望という共通点を持つ若い2人は、戸惑いギクシャクしながらも、会話するようになっていく。そして、ケータイで話しながら銀座界隈で時を超え…

映画『東京少年』

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(趣向に触れています) しばらく前に試写会で見た映画3本(『東京少年』、『東京少女』、『クリアネス』)が、もう次々に公開されていたのだった。 『東京少年』と『東京少女』は、もともと対になるよう制作された映画であり、それぞれ堀北真希、夏帆を主…

阿部真大「世界はロックでできている」

(小説系雑誌つまみ食い 29――講談社BOXマガジン「パンドラ」Vol.1 SIDE−A) 「ファウスト」で上遠野浩平がロックに関するエッセイ(「Beyond Grudging Moment」)を連載していたのと対応するかのごとく、新雑誌「パンドラ…

「勝手にブログ評論」のこと

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(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 2) 仕事や雑用が続く合間、ちょっと気分転換。 「ENDING ENDLESS 雑記帖」を「勝手にブログ評論」してもらった。 http://onosendai.jp/hyoron/hyoron.php 結果は、総合得点45点。 いただい…

ローレゾリューションとネタ的コミュニケーション

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(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 1) 『CONTENT’S FUTURE』と『わたしたち消費』 CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)作者: 小寺信良,津田大介出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2007/08/02メディア…

永江朗「ベストセラーってなんだ?」@浦安市立図書館

浦安市立中央図書館では現在、「ベストセラーってなんだ?」というテーマで所蔵本の特集展示を行っている。 http://library.city.urayasu.chiba.jp/special/special/index.html それにあわせて昨日、同図書館にて「ベストセラーってなんだ?」と題した永江朗…

豊崎由美VS.ケータイ小説@ニコニコ動画

11月16日のTBSラジオ ストリーム「コラムの花道」で、豊崎由美が「大人気・ケータイ小説をめった斬り」というお題で喋っていた。 (ここで聞ける→ http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20071116.mp3) これ自体は、書評家・トヨザキ社長の見…

2045年版「週刊アスキー」と『試験あらし』

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「週刊アスキー」10周年記念号(12月11日号)http://www.ascii.co.jp/books/magazines/wascii.shtml 同号の特別付録は、東浩紀・桜坂洋・清水亮が原案・監修の2045年版「週刊アスキー」。そこでは2045年の製品も紹介されているのだが、パロデ…

里村明衣子のこと

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書店で「LADY’s リング」という新雑誌を見かたので、なんとなく手にとって開くと、いきなり里村明衣子が眼帯したグラビア写真が現れたので驚いた。10月の試合で、眼窩底骨折をしたのだそうだ。知らなかった。 http://blog.livedoor.jp/lgc2007/ 長与…

鈴木謙介と庄司智春

『文化系トークラジオLife』本asin:4860110773をめくっていると、「憧れの女性」の回で鈴木謙介がこんな思い出を話していた。 大学1年の頃、授業中に岡村靖幸の歌詞を教室の机に落書きしたら、次の週に女の子の字で応答があった。その後も同様のやりと…

島本理生と佐藤友哉

(小説系雑誌つまみ食い 26――「野性時代」12月号) http://www.kadokawa.co.jp/sp/200310-02/ 特集は「島本理生の恋と文学」。そこでは、小川洋子、乙一、角田光代、滝本竜彦、長嶋有などの作家たちが、島本にいろいろ質問するコーナーがあり、佐藤友哉の名…

小朝と泰葉

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最近自分が書いたもの 「亀田騒動で思う“親子物語”の消費地図」 → メルマガ「週刊ビジスタニュース●偉い人にはそれもわからんのですよ●」(11月14日配信)http://www.sbcr.jp/bisista/mail/art.asp?newsid=3253 というわけで↑では、亀田家を軸に、アニマ…

文学フリマで買ったもの

「ベクトルズ」 「佐々木敦 ティーンエイジ赤面作品集 詩と小説 1981−1982」 「吉田アミは書きました」 「虹釜太郎の言葉、食、そして、音。」 「虹釜太郎少女詩集 旧少女機械」 「書評王の島」 「文学フリマ五周年記念文集」 「物語の(無)根拠」…

「HB」創刊号

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特集「高田馬場から考える」 先日、紀伊国屋書店新宿本店5階にて行われているブックフェア「文化系書店Life堂 vol.2」(今月20日まで)で、「HB」という同人誌の創刊号を買った。 (「Life堂 vol.2」http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/…

亀田興毅と長嶋一茂

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それまで頭悪そうにしか見えなかった人間が、難局を迎え、世間に対し懸命に話している。家族のため、自分がしっかりしなければと、精一杯背伸びしている。 その意味で、今朝、父・史郎不在の状態で行われた亀田興毅の謝罪会見は、長嶋茂雄が病に倒れた時、息…

今ごろ『ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序』

一昨日、ようやく『ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序』を見た。舞浜のシネマイクスピアリ。観客は5人ぽっきり。 伏線をはり直して、画像のクオリティを高くして――という素直なヴァージョン・アップだと思った。TV版でも、ここらへんまでの内容は、まだ普通…

大澤信亮「十年の批評」

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(小説系雑誌つまみ喰い 25――「新潮」11月号) 新潮新人賞の受賞作が掲載されている。そのうち、「宮沢賢治の暴力」で評論部門を受賞した大澤信亮は、「十年の批評」と題した記念エッセイをあわせて寄稿している。そこで彼は、自分がまっさらの新人ではなく…

真保裕一『追伸』と『クローズド・ノート』

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最近自分が書いたもの 島田荘司『龍臥亭幻想』(光文社文庫)asin:4334743188の解説 真保裕一『追伸』書評 → 「TIMELY BOOK NEWS」10月11日号(旭屋書店のメルマガ) ↑『追伸』は全編、手紙のやり取りだけで構成された小説。(ケータイ的…

『クローズド・ノート』と『恋空』

映画の舞台挨拶をめぐり、ふてくされていた沢尻エリカと、病気をおして出席した新垣結衣が、対比されて報道されている。 2人の主演した映画の原作が、雫井脩介『クローズド・ノート』、美嘉『恋空』であるのが興味深い。『恋空』はご存知の通り、ケータイ小…

ゼロアカ

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SIGHT (サイト) 2007年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2007/08/31メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (6件) を見る 東浩紀は「SIGHT」最新号の連載「東浩紀ジャーナル」で、宇野常寛の「ゼロ年代の…

金原ひとみとギャル曽根

(小説系雑誌つまみ喰い 23――「野性時代」9月号) 野性時代 vol.39 (2007 2) (39)出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2007/01メディア: ムック購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (14件) を見る http://www.kadokawa.co.jp/sp/200310-02/「野性時…

大槻ケンヂと絶望少女達〈人として軸がぶれている〉

アニメ『さよなら絶望先生』の主題歌。 もうじき、再結成した筋肉少女帯の新作《新人》が出るというのに、なぜ今、ソロ活動なのか、と最初思った。だが、作曲・編曲は、NARASAKIなのだった。筋少再開に伴い、活動休止状態になっている特撮asin:B000F…

〈おしりかじり虫〉と〈ほねほねワルツ〉

NHK「みんなのうた」で流れた〈おしりかじり虫〉が話題になっている。なぜ今、こんな曲がウケているのだろう? 格差社会にあえぐ人々は、尻に火がついたり、尻を叩かれたり、誰かの尻ぬぐいを押しつけられたり、なにかと尻が大変なことになっている。また…

ケータイ小説とTSUTAYAと夕刊紙・スポーツ新聞

旧聞になってしまうが、今月最初の週に東京ビッグサイトで催された東京国際ブックフェアに行ってきた。いろいろ興味深い展示はあったが、「書店に未来はあるのか! 大型書店から街の本屋まで、激変期の書店経営者が徹底討論」と題されたシンポジウムにおいて…

吉田アミ『サマースプリング』

(最終章とエピローグに触れるので、ネタバレに過敏な人は読まないこと) サマースプリング [文化系女子叢書1]作者: 吉田アミ,郡淳一郎/木村カナ,タナカカツキ出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/07/06メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリッ…

『ロンドンハーツ』――「芸人“恋愛”小説大賞」の庄司智春

テレビ朝日系『ロンドンハーツ』19日夜放送分。 http://www.tv-asahi.co.jp/londonhearts/ 劇団ひとり『陰日向に咲く』asin:4344011023、品川祐(ヒロシ)『ドロップ』asin:4898151833、千原ジュニア『14歳』asin:4062137992、ふかわりょう『DSJ 消え…

「アートで候。 会田誠・山口晃展」

一昨日、上野の森美術館でこの展覧会を見たのであった(19日まで)。 http://www.ueno-mori.org/special/aida_yamaguchi/index.html 先日、東京都現代美術館でマルレーネ・デュマス展を見た時、常設展にも回り、会田誠の「スペース・ウンコ」、「美しい旗…

乙桜学園祭「東京小説」

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昨夜、ユーロスペースで小説家が撮った短編映画の2本立てを見た。上映(レイトショー)は今日まで。 http://www.biotide-films.com/otsuzakura/ 桜井亜美監督『人魚姫と王子』 柏原収史、真中瞳らをキャスティングし、音楽にSalyuとかを使い、プロを集…

ケータイ小説、『セカチュー』、泣きゲー

(小説系雑誌つまみ食い 20――「ダ・ヴィンチ」7月号。ついでに「PLANETS」VOL.3) 「ダ・ヴィンチ」最新号の第二特集は、「最近売れてるらしいけど……ケータイ小説ってどうなの?」という企画。 そのなかで「若者がケータイ小説にハマる理由」を…

『マイクロポップの時代』と『フューチャリスト宣言』

マイクロポップの時代:夏への扉作者: 松井みどり出版社/メーカー: PARCO出版発売日: 2007/03メディア: ペーパーバック購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (28件) を見る 結局、忙しさと金欠で展覧会を見に行けなかった『マイクロポップの時代:夏…