ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

topos

地震と屋形船

一昨日の地震で、浦安市は震度5弱だった。不思議というか幸いなことに、我が家では本やCDが崩れる惨事にはならなかった。 しかし、京葉線は7時間もストップしたままだったという。新聞やテレビの報道では、ディズニーリゾートから帰れなくてJR舞浜駅の…

ドラマ版『電車男』にスティクス〈ミスター・ロボット〉

電子変調ヴォーカルといえば、先週放送のドラマ版『電車男』初回、オープニングの秋葉原のシーンで、いきなりスティクスの〈ミスター・ロボット〉が流れたのには驚いた。この曲のサビは、「ドモアリガート、ミスター・ロボット、ドモ、ドモ」という日本語が…

太陽の塔と「太陽の季節」/カラスと飛行機

障子にペニス、沖ノ鳥島に石原慎太郎 部屋に小さいものをゴチャゴチャ増やすと怒られてしまうので、食玩は買わないようにしている。でも、我慢できずに買ってしまった、「タイムスリップグリコ 大阪万博編」。太陽の塔や三波春夫、月の石など、1970年の万博…

松岡圭祐『ミッキーマウスの憂鬱』(と『ディズニーランド裏舞台』)

ちょっと前から気になっていたこの本を読む。 東京ディズニーランドでバイトし始めたちゃらんぽらんな若者が、夢の舞台を作る現場の喜びに目覚めるストーリー。前半は、文献か取材かで集めたのであろう舞台裏情報の数々を、小説の形に整理・紹介しようとする…

森谷明子『れんげ野原のまんなかで』

(本当はもっと早く別の場所に載せようと思っていた幻の書評のための走り書き) 図書館を舞台にした連作ミステリ。 市のはずれのススキ野原に立地し、訪れる人の少ない秋葉図書館は、土建先行の地方自治の典型だった。そこでは多数の書物をコードで管理して…

「手賀沼サマーランド」と〈埼玉ゴズニーランド〉

読まずに書く文芸時評(田中康夫のパクリ)第2弾、というわけでもないが……。 上記のごとく読了したので、『半島を出よ』をめぐる村上龍のインタヴューに目を通そうかと、地元の図書館で「群像」のバックナンバーを探していた。すると、6月号に群像新人文学賞…

「ディズニー・ロック・アラウンド・ザ・マウス」

24日、東京ディズニーランドへ出かけた。千葉県民割引期間の最終日だったんである。最近入園したのは東京ディズニーシーばかりだったから、ランドのほうは久しぶり。 お目当ては、ショー「ディズニー・ロック・アラウンド・ザ・マウス」。アメリカの本家ディ…

「AERA」臨時増刊「GO!GO!コンビニライフ」(そしてバーコード)

おにぎり、デザート、チルド飲料、弁当など、コンビニ定番商品の各チェーン注目商品を紹介する一方、各社トップへのインタビューも掲載。また、タレントにコンビニと自分のかかわりを語らせたり、ルポを載せるなどして、おふくろ代わり、酒屋、屋台、工場、…

お稲荷さんとダビデの星

ここ3日間、近くのお稲荷さんの大祭だった。やぐらが組まれ、演芸会みたいな催しがあったようだ。もちろん、屋台が出ていた。万国旗も飾られていた。イスラエルの国旗を見つけた。もし、同国のユダヤ教徒が、異国のお稲荷信仰の場に自分たちの国旗が引き出さ…

「タイムスリップ昭和展」

新宿へ資料探しに出かけたついでに、高島屋で催されていた「タイムスリップ昭和展 EXPO’70とその時代」を覗く。 そこに展示されたグッズ、レプリカ、映像を見て、今頃気づいたのは、70年の大阪万博で岡本太郎の手がけた「太陽の塔」とウルトラマン(66年放映…

某新築マンション掲示板

地元のことを検索するうちに、某新築マンション購入者のための掲示板に行き当たった。安くはない買い物をしたばかりの人たちが、うきうきした気分で書き込んでいる。近くではあの店が美味しいらしいとか、あの小学校は校舎がきれいなだけでなく教育方針もい…

船橋ヘルスセンター展

一昨日、船橋市役所で開かれていた「思い出回顧 船橋ヘルスセンター展」を見てきた。船橋ヘルスセンターとは、現在では大型ショッピング・モール「ららぽーと」になっている場所にかつて存在したレジャー施設のこと。市役所1階のスペースには、当時の施設の…

北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』

「総括」をキーワードとする「六〇年代的なるもの」から、70年代半ば〜80年代初頭までの消費社会的アイロニズム、80年代の消費社会的シニシズムへと時代の変遷を追ったうえで、90年代以降の「2ちゃんねる化する社会」における“ナショナリズム”をロマン主義的…

椹木野衣『戦争と万博』

刺激的な「大阪万博=エキスポ’70」論。 博覧会と植民地の関係性は、よく指摘されるところ。椹木は大阪万博が、傀儡国家「満州国」の理想主義の後継としてあったことを指摘しつつ、前衛芸術家たちが〔たがいの主義主張のちがいを留保して大同団結し、国家の…

浦安文学賞

毎月1日、朝刊の新聞に「うらやすニュース」というタウン紙が折り込まれてくる。昨日届いた分の1面トップは、浦安ニュース社主催、浦安市・市教育委員会後援による第16回浦安文学賞決定の記事だった。同紙の報道によると、 浦安文学賞 「抱きよせる波」――15…

ビビった

昨日、近所の行きつけのコンビニを見て、たまげた。通りに向いているガラスが、思いっきり割れている。ちょうど、ATMやコピー機が置いてあるあたり。メンテナンス業者らしき人たちが来ていて、なにやら機械を点検、修理している。強盗か?! ATMごと盗もうとし…

新浦安にて

昨夜、新浦安の海っぺり近くまで出かけた。 ちょうど昨日グランド・オープンを迎えたパーム&ファウンテンテラスホテルの周辺を、歩いてみる。オリエンタルランド(東京ディズニーランド&シーの運営会社)グループが初めて手がけた、宿泊特化型のホテルであ…

コンビニ依存症

月末までに読み終えねばならぬ紙袋に入った印刷物の束を少しずつ消化し、自分の作った表でチェックしている。そっちはまだ前進している実感があるが、並行して書いている別件のお仕事がどうにも加速せず、今日はもう呑んで寝ちまおうと決意する。寝ればいい…

車が駅に降ってくる。ホームレス、『グラスホッパー』

今日のTVニュースを見て仰天。京成電鉄千葉線の幕張本郷駅をまたいでいる陸橋から車が飛び出し、線路のすぐ脇に降ってきたという。駅の上みたいな場所にかかっている陸橋でも、ガードレールやらフェンスやらは、そのくらいの強度しかないわけですね……。 朝の…

川沿いのシルエット

今日の夕方、旧江戸川の堤防を散歩した。方向としては、浦安の元町から舞浜へと歩いていく感じである。 頭上の空にはまったく雲がない。遠くの町並みにかぶさるようにして、空の下方にのみ雲が横に連なる状態。残念ながら陽はもう沈んだあとだったが、かろう…

『ディズニーランド・ストーリー』

昨日、WOWOWで『ディズニーランド・ストーリー』と題されたモノクロ映像を見た。これは本家ディズニーランドがちょうど建設中だった1954年に撮られたもので、故ウォルト・ディズニー自身があのテーマパークの構想を語ると同時に、それとタイアップしたTV番組…

お会式

久しぶりの地元ネタ。 先週から続いていた締切の絨毯爆撃が一段落したので、今夜はお会式(おえしき)を見物に出かけた。お会式というのは日蓮宗の法会のことで、路地裏だと道幅いっぱいになるくらいの大きさの万燈を引いて、町中を練り歩くのである(ちなみ…

『おたく:人格=空間=都市』

これは、同展日本館のコミッショナーをつとめた森川嘉一郎の著書『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』ISBN:4344002873、カタログの形に作り変えたようなものだ。「おたく」という人格が「秋葉原」という都市に実体化していった過程を検証した森川の仕事は、…

ビースティ・ボーイズ《トゥ・ザ・5ボローズ》、NY、キング・コング

ビースティ・ボーイズの6年ぶりの新譜は、僕が期待していたものとは、ちょっと違っていた。 ブラック・ミュージックの文脈以外にも開かれていて、“俺さま節”的なマッチョ主義でもないものとしてヒップホップを鳴らす――ビースティは、そのようなタイプのヒッ…

浦安三社祭、終っちゃった。

昨日が最終日で、えらい盛り上がりようだった。元町地域では神輿が数珠つなぎになって大通りを占拠し、路線バスに足止めをくらわせたりしていた。そのバスの行き先が、ディズニーランドだったりするわけだ。土着の祝祭VS輸入の祝祭、覇権争いの構図。 とにか…

浦安三社祭、当日

浦安市の元町地域では、お祭り装束の人々が大勢出歩いていた。昼間の通行人は、半分以上が祭り装束って印象だった。洗濯物として干された祭り装束をあちこちで見かけるのに、それでも祭り装束で歩く人が多いんだから、この地域で着替え用に装束を複数所有す…

浦安三社祭まであと3日(東京ディズニーリゾートと富士山)

僕の住んでる周辺の道は、もう、提灯だらけ。祭の支度は整いました、って状態。 今朝、配達された浦安市の広報紙に、三社祭開催に伴う交通規制の範囲が告知されていた。なにしろ、4年に一度しか開催されない大イベントである。100基以上もの神輿が町中に繰り…

“東京湾”と氣志團

なんとなく、昨日の続きから。 『東京湾景』に出てくる海沿いの場所はすごく限られていて、“東京湾”という単語が地図で示す範囲に比べると、えらく狭い。美緒のいる場所と亮介のいる場所は海が隔てていて、湾を回り込まなければ会いに行けなかった。でも、そ…

吉田修一『東京湾景』(と江戸川乱歩「押絵と旅する男」)

仲間由紀恵主演で7月に月9ドラマになるという『東京湾景』を読んだ。なるほど。いかにも恋愛ドラマ的な舞台、設定がはめ込まれている。わざとらしいくらいに。 目次には、「品川埠頭」「お台場から」「天王洲1605」など、ロケ地を指定するみたいな章題が…

浦安三社祭まであと15日

1ヵ月くらい前から、ここ浦安は、どうも浮つき始めている。僕も頭がふわふわし出した。祭りが近いのである。 千葉県浦安市といえば、東京ディズニーランドがある場所として知られている。客が来場することで成り立つこのテーマパークでは、毎晩花火が打ち上…